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M&Aインタビュー vol.15

働くスタッフを考えた労働環境改善のビジネスモデル!これからの美容業界の発展のため決断。

【譲渡者】
K社(新潟)

【譲受者】
株式会社iD international
代表取締役会長 本宮かおり 氏
代表取締役社⻑ 駒井將顕 ⽒

<概要>
2003年に新潟県県央地域にヘアサロンをオープン。2009年には2号店をオープンするなど、美容室・アロマ・ネイルなど幅広く事業展開をしており、近年では、新潟県内のみならず海外のハイエンド層にも好評を博す会社へと成長を遂げている。
(株)つばさM&Aパートナーズのグループ会社である、つばさ税理士法人とはオープン当初からの長い付き合いもあり、将来構想やチャレンジ精神をよく理解していた事からM&Aの提案があり、iD internationalの将来構想にフィットしていたこともありアドバイザリー契約を締結。新潟市内で美容室を3店舗運営する譲渡企業との事業譲渡契約の成約へつなげた。
M&Aに至った経緯を教えてください。
(株)つばさM&Aパートナーズから「新潟市での美容室運営に興味はありますか?」と話があり、最初は軽い感じで「興味がある」と答えました。
M&Aの話を聞く以前より、譲渡側企業の社長さんも知り合いだった事もあり店舗運営についての話を聞いていました。
その後、譲渡側企業と面談では、会長さんにお会いをし現在の会社の現状を聞き、この先が不透明のため”スタッフの雇用はそのままに店舗を引き継いでほしいと話がありました。
M&Aを決断された理由
M&Aを行うか悩みましたが、譲渡側企業が知り合いだった事と、会長より現状を聞けば聞くほど、私たちが引き継ぐことでスタッフの雇用を守れると思った事、(株)つばさM&Aパートナーズが主催したM&Aセミナーに参加したことで、事前にM&Aの流れやメリットを知る事ができました。
そして、つばさ税理士法人のバックアップの手厚さもあり、安心して引き継ぐ決断ができました。
迷いはありませんでしたか?
代表取締役会長 本宮かおり 氏
当初から、「会社を大きくする」「M&Aで会社を買う」という事にあまり関心はなく、地域や場所に関係なく仕事をしているので、新潟市内の美容室という事に特別魅力は感じませんでした。
しかし、話を聞く中で、私自身美容業界全体の底上げのコンサルティングをしていることもあり、スタッフ達が困るのであれば助けたいという思いになりました。
従来の働き方を変えないと全国の美容業界の発展は難しいと考えています。
課題である「労働環境の改善のビジネスモデル」を自社で作り、全国に発信できれば新たな事業展開ができるという気持ちもあって、M&Aをチャレンジしたいと考えました。
代表取締役社⻑ 駒井將顕 ⽒
規模を大きくしたいというよりは、働いているスタッフ達が今後困るという事と、実は譲渡側企業の給与制度がすごく考えられている点に興味を持ちました。
通常美容業界は、実店舗をもたない美容師は、面貸しサロンという形で個人事業主として働くか、会社員としてサロンに所属・業務委託で安い給与で働くしか選択肢が無い中、譲渡側企業の制度では会社員として勤めながら、頑張れば固定給とは別に頑張ったら頑張った分稼げる給与制度を作られていてスタッフ達も安心して働ける所に”すごい”と思い関心を持ちました。
ただ、休みがどうしても少なくなってしまうので、現在は年間休日を増やしながらも安心してしっかり働ける給料を出せるように改善しています。
成約に至るまでに大変だったことはなんですか?
代表取締役社⻑ 駒井將顕 ⽒
M&Aをするまで、譲渡側企業のスタッフ達に会うことが出来ないため、書面と数字上での人となりしか知ることができず、譲渡側企業の社長さんからスタッフ達の人柄や特徴を教えてもらっていましたが、実際にお会いし新たにスタッフの関係性を築くことは大変ではありました。
まだ1年経っていませんが、2021年と2022年ではM&A以前から退職予定だったスタッフと産休のスタッフで3人減っている中で数字は若干下がっていましたが、10ヶ月経った現在では昨対を超える事ができました。
教育を行なっている効果もあり、稼げなかったスタッフが稼げるようになったりM&A前から退職予定で実際に退職したスタッフが戻ってくるという嬉しいこともありました。
代表取締役会長 本宮かおり 氏
普通の業種と違い、美容室は社長とスタッフの距離が近い関係になりやすいので社長が変わることはほとんど無く、私も今まで働いていて社長が変わる経験をしたことがなかったので、不安を与えないようにどのように安心してもらうかをすごく考えました。
最近スタッフとの面談で、M&Aで引き継いだことをとても感謝され、スタッフとの関係もとても良好で、一人も辞めることもなくM&Aを行うことができ本当に良かったと思います。
アドバイザーとして、今後どのようなことを期待しますか?
長いお付き合いの中、すぐにアクションを起こして実行していることが素晴らしいと思っていました。
M&A成約後、10ヶ月経ってようやく、お二人の気持ちが、お店に浸透してきているみたいです。
アドバイザーとして特に資金面に対してのフォローが今後必要だと思っています。
お店がうまく営業し続けられるよう、特に財務面でサポートしていきたいと考えています。
今後の展望について
今後は、引き継いだ3店舗と元の2店舗をトータルビューティーサロンとして、美容師というだけでなく”美のプロ”としてスタッフ一人一人のブランディングを強化し、スタッフにお客さまがつくような密な関係性を作り、美容師の国家資格を活かした”美のプロ”として育成していく事、トータルで「本物の情報発信」ができる場、お客様の「美と健康」のトータルアドバイザーとして地域の1番を目指していきたいです。
また、労働環境の改善を行い、産後2ヶ月でお店に立たされることが美容業界では良くあることですが、そうではなく、安心して1年育休が取れる環境をつくり、スタッフがこの会社で働けて良かったと思える会社を作っていきたいです。
企業としても美容師が安心して永く働けるサロンを作り、地域の見本となるような美容室を目指します。
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