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M&Aインタビュー vol.4

スピーディーな事業譲渡の実現で業界と雇用の維持に貢献

【譲受者】
梅澤真一氏(株式会社ウメザワドライ 代表取締役)

<概要>
株式会社ウメザワドライは、新潟市近郊を中心に約50店舗のクリーニング店を展開する企業。近年はコインランドリー併設店を増やすなど、顧客のニーズに合わせたサービスを提供している。昨年、経営危機に陥った県内の同業会社から「事業を譲り受けてほしい」という話があり、検討。同社の税務を担当するつばさM&Aパートナーズ(つばさ税理士法人)がアドバイザーとなり、譲渡会社の不採算部分を切り取り、再生部分だけを譲り受ける一部事業譲渡の成約に繋げた。
クリーニング業界の衰退を防ぐため事業譲受を承諾
今回の事業譲受に至った経緯を教えてください。
梅澤:昨年11月頃、県内の同業会社さんから直接、事業譲渡の打診があったのがきっかけです。そのときはM&Aを専門とする会社などを仲介に入れたほうがいいのではと申し上げたのですが、その一か月後に再度来られて「これ以上経営が続けられないので、従業員やお客様をできる範囲で引き継いでもらえないか」という話をされたのです。いろいろ確認させていただくと、かなり業績が危機的な状況でしたので、すぐにつばさM&Aパートナーズさんにご相談しました。
企業の倒産というと業界全体のイメージもよくないですし、切磋琢磨してきた同業者として何かできないかと、当初はその会社を再生させる方法をつばささんや弁護士さんを交えて模索しました。しかし再生までは時間とコストがかかる、このまま資金が枯渇すると迷惑を被る人たちがたくさんいるということで、収益性のある再生可能性のある部門はどこかというのを試算していただき、当社で一部の事業を買い取るという形をとったのです。
どういう点に配慮しながら進めたのでしょうか。
弊社アドバイザー:今回のケースは一般的なM&Aのように、まだ体力はあるけれど後継者不在なので会社を引き渡したいというケースとは違います。実際、譲渡を希望の会社様については、すぐに対策をとらないと、そのまま再生可能性のある部分を残しつつ、廃業になってしまうわけですから、スピードを重視して取り組みました。
また、今回は社長様がとても意欲的で業界に精通されており、我々仲介では分からない個別事情などをご認識されていたので、私どももそれを参考に踏まえ、動いていくことができました。一方で、譲渡者様についても積極的に動いてくださったので、最終的により良い形で事業の譲渡ができたものと考えております。
ではスムーズに成約まで進んだのですね。
弊社アドバイザー:県内有数の弁護士さんと連携しながら対応致しました。実は細かい部分で話が二転三転することもありましたが、それに対して柔軟に社長様にご対応していただいたことが、今回の成功に繋がった一つの要素だと思います。それは、社長様は単純に商業的な自社のためのM&Aという形ではなく、雇用やブランド力、業界全体のことをしっかり考えられた中での事業の譲り受けというのが根本にあったからだと思います。
M&Aも視野に入れつつ関連業種の多角化を目指したい
成約に至るまで大変だったことはありますか。また、成約を終えた心境はいかがですか。
梅澤:一番大変だったのは、秘密保持でしょうか。デリケートな問題なので、相談したくてもできる相手が限られるわけです。つばささんからも注意してくださいと言われていたので、なおさら意識しました。また、こういう事案ですから、お客様や従業員など関係各位には多少のご迷惑をおかけしましたが、最小限には留められたと思います。
成約を終えて、業界に対する貢献が少しはできたのではと自分なりに思いますし、自社自体の事業拡充にも繋がったと思います。
今回の事業譲渡による効果はどういうところでしょうか。
弊社アドバイザー:雇用の維持という観点で、譲受者様が引き継いだことは大きいですし、業界の維持、衰退の歯止めということにも繋がったかと思います。また、譲渡者様の店舗を引き継がれたことによって、お客様が引き続き店舗を利用できるようになったということも、本当に大きな効果であると考えております。
ウメザワドライ様に期待されることはありますか。
弊社アドバイザー:全国的にも人財難、雇用の不安定化というのは続いていますので、今後さらに業務を拡充されて、雇用の維持はもちろん、業界の繁栄、ひいては地域経済の活性化に繋げていただけることを期待しています。
最後に、今後の展望を教えてください。
梅澤:我々の業界において、地方の人口減少というのは切実な問題です。業者自体も減ってきているのですが、先行きを考えると一事業だけではなかなか厳しい部分があります。今後、当社は「洗う」ということをテーマに、関連業種の多角化をしていかないといけません。その中でM&Aなども視野に入れながら、考えていく必要があるのではと思っています。そういう意味でも、つばささんのサポートは心強いですし、今後も力を貸していただけたらと思います。
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